矯正治療のリスクと対策
虫歯
リスク
装置を付けると虫歯になるリスクが高くなります。
対策
当医院では虫歯の対策として、治療前に十分虫歯についての知識を持っていただくためのセミナーを受けていただきます(約15分・料金はかかりません)。
その時に患者様それぞれがもってらっしゃる虫歯に対する抵抗力を調べるために唾液検査(約5分・料金はかかりません)をいっしょに受けていただきます。
これにより、お口の中にいる細菌の量、緩衝能(食後お口の中が酸性になった状態を中性に戻す能力)、唾液の量を調べ5段階で評価し、こちらでどのようなケアー(歯のクリーニング・フッソ塗布)を矯正治療中してゆけばよいのかの計画を立てます。
患者様の虫歯になりやすさをあらかじめわかっていればどのような対策を立ててゆけばよいのかがわかり、安心して矯正治療に入れますよね。
また950ppm以上フッ素が入っている当医院指定の歯磨き粉を使っていただくことで、虫歯に対しては万全の体制でのぞんでおります。
以上のことからも治療中の虫歯に対する心配はそれほどなさらなくてもよいかと思います。
歯肉炎
リスク
装置の周囲がうまくみがけない状況が長くつづくと歯肉が赤く腫れるようなことがあります。
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歯と歯ぐきのさかいめが赤くなり、
腫れている状態 |
対策
歯科衛生士によるブラッシング指導、クリーニングを治療の時には必ず受けていただきます。ブラッシングがしっかりできてくると、1週間程度で歯ぐきはもとの状態に戻ります。
治療後の歯と歯の間にできる隙間(ブラックトライアングル)
リスク
矯正治療後に、歯と歯の間の歯肉がさがり、写真のような三角形の隙間ができる場合があります。
対策
20歳以下の患者様ではこのようなことはほとんどおこりませんが、主に、成人の方に時折みられます。歯周病により引き起こされる歯肉退縮とは異なりますので歯の健康上の問題はありません。
原因がわかっておりますので、矯正治療前にある程度予測できますが、隙間がどうしても気になる場合には、歯の横の部分をすこし削って歯の幅を小さくし、歯の形を変え隙間を小さくする方法で対処してゆきます。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 矯正歯科装置装着後に違和感、不快感、痛みなどが生じることがあります。
一般的には数日間〜1、2 週間で慣れてきます。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。
したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらにかかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。
また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの顎関節症状が生じることがあります。
- 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
- 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
- あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。
また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
- 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
お問い合わせは、医院案内の相談コーナーよりしていただけます。
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